2016年1月26日

Performers and portrayers

All the world's a stage,
And all the men and women merely players.

https://en.m.wikipedia.org/wiki/All_the_world%27s_a_stage

世界とか人生を劇の舞台に喩えるのはこれが有名だろう。Rush の Limelight にも、

All the world's indeed a stage,
and we are merely players

という一節があった様に思うが、これなどは明確に引用と分かる。

シェイクスピアでは他にもマクベスのモノローグに、

Life's but a walking shadow, a poor player
That struts and frets his hour upon the stage

云々というのがある。とりあえず思い出せるのはこれくらいだが、まだ類するものがあるのではないかと思う。なんにせよ、これを劇の登場人物が台詞として言うところに面白味がある。

コロンブスの卵かもしれないが、物凄く奇抜な発想というわけでもない様に感じるので、類似の表現の悉くがシェイクスピアへの言及であるとは断定しにくい。ただ、現代の文脈で All the world's a stage とか Life is but a play とかいったフレーズが出てくると、避け難くシェイクスピアを連想させる程度のものではありそうだ。

さすがと言うべきなのか、シェイクスピア起源とされるフレーズは多く、豆知識といった軽い調子で羅列してあるサイトを見かけた記憶がある。まあ、別にシェイクスピアが発明したわけではなく、単に記録として残存している用例がシェイクスピアしかないというだけの物も多いのではないかと思う。

調べたわけではないが、brave new world というのも『テンペスト』の中で使われているのが元だろう。この劇の中では brave という語が何度か出てくるが、「勇敢な」ではなく、「素晴らしい」という程度の意味合いで、イタリア語の bravo に近い。当時は英語でも普通に行われる用法だったのだろう。

こういうことを知っていたところで何がどうということでもない。ただ、当の英語話者が例えば brave new world といったフレーズを使うとき、どの程度の割合でシェイクスピアが意識されているのかは多少気になる。

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