2015年11月30日

群れ

このところ朝の比較的早い時刻に出かける用が続いていた。ぴったりの時間に出ると通勤ラッシュに巻き込まれるので、必要より一段前倒しに移動を済ませることにして、早寝早起きを心がけていたのだが、早起きはともかく早寝の方がなかなかままならない。結局寝不足で昼前に眠くなってしまう。

こんなことでは困るのだけれど、どうしても通勤ラッシュは避けたい。バスが満員で乗れなかったり、電車の中では息をするのがやっとだったり、また車両も駅も人員も無茶な運用をしているわけだから往々にして遅延が発生したりする。

いや、そういうことはまだ観念できる。どうしても耐えられないのは、そうした状況に於ける人々のあまりにも非協調的な態度だ。

ホームに電車が到着し、ドアが開くなり平然と周りを押しのけて我さきに乗車する。少し奥に詰めれば良いものを、一度落ち着くと動こうともしない。駅に着けば、特に乗り換えの多い駅では、降りる人がいるのは当たり前だろうに、一旦降りて通り道を作ろうという気配も見せない。

お年寄りや身体の不自由な人に席を譲りましょうなどという水準の話ですらない。他人より先に乗車できたからといって、初めから満員の電車に於いて何の有利があるのか。降りようとしている人に道を開けることに、一体どれほどの不利があるのか。

こんな人々が背広を着て、この社会を動かしているのは俺たちだと威張ったり、チームで仕事をするには協調性が大事だとか宣ったりしているのだろうと思うと、心底世の中が嫌になる。

と同時に、そうやって無闇に世間を貶めて、自分は落伍者ではなく厭世家なのだとでも言いたがっているが如き僕自身にもうんざりする。

通勤ラッシュに巻き込まれると、いつもこうしたことを考えてしまい、およそ一日分の気力を使い果たす。だから多少無理にでも時間をずらして避けたほうが無難だと結論した次第だ。

とやかく言ううちに今日はもう眠くなってきた。