図書館で調べ物をするつもりで出掛けたのだが、金曜は休館であった。予め調べれば良かったので、不注意と言う外ないが、長らく訪わなかったのでこれも致し方のないことである。
吉祥寺まで足を伸ばし、古書肆を覗くも、現今の部屋の惨状に鑑みて、これ以上本を増やすことは自重する。また特に欲しいと思うものも無かった。
家まで歩いて帰る途上、ふと高校の同級生の言葉が脳裏に甦って来たが、それが正確にいつ頃のことか、どうしてその発言に至ったか、前後はまるで思い出せない。
築き上げた筈の記憶の城は風雨に打たれて朽ち果て、その時その時に打ち込まれた楔だけが、新古入り交じって足下に転がっている。
そういうものだ。