2016年4月6日

金縛り

このところ意味もなく無理を続けていたので、さすがに一度しっかりと睡眠を取って体調を整えねば何も手につかない。そう思って横になり、目を閉じたところで、久しぶりの金縛りに襲われる。

要は夢と現の間にあるというだけで、何ら超常のことではない、と分かってはいても、いざとなると生々しい恐怖があり、必死で抜け出そうとしてしまう。一度覚醒しても、また眠りに落ちかけると同時に金縛りになるので、こうなると寝るのが不安になってくる。厄介なものだ。

かつて、さかんに金縛りに遭っていた時期がある。慢性的に不摂生だったのだろう。あまり頻繁だとさすがに慣れてしまい、割合冷静に状況を楽しんだりしていた。

その頃、金縛りに伴って現れる幻覚としてよく繰り返されたのは、枕の周りで多数の子供の笑い声がする、部屋中をどたどたと荒々しく駆け回る足音が聞こえ、床の振動も感じられる、誰かが部屋のドアを開けて段々近づいてくる気配がする、などだった。概ねありがちな妄想というところだ。

今回はそんな観察をする余裕がなく、主に混沌とした印象だけが残っている。窓を外からガチャガチャと開けようとする音が聞こえたこと、布団が引き剥がされる感じがしたことは覚えている。

明かりのある方を向けば目がさめるだろうと思い、全力を振り絞ってそちらを見たつもりが、あるはずの明かりが消えている。これも中々面白いと思う。目を開いている気になっているが実際には閉じていたり、あるいは首が思った方を向いていなかったりするのだろう。

そんな落ち着かない眠りであったせいか、或いは単にまだ睡眠時間が足りていないのか、今朝も起きると体に力が入らず、どうしようかと思ったが昨日よりは随分ましだ。

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